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がん:アンドロゲンの喪失はHPA軸の活性化を介して脳腫瘍の増殖を加速させる

Nature 653, 8116 doi: 10.1038/s41586-026-10451-5

グリオブラストーマ(神経膠芽腫、GBM)をはじめとする多くのがんは、男性に偏って発症し、それに関連して男性の方が転帰も悪い。この性差の根底にある機構については明らかになっていないが、アンドロゲンなどの性ホルモンが駆動する免疫応答が部分的に関与している可能性がある。これらのホルモンは抗腫瘍T細胞免疫を抑制し、腫瘍の進行を促進すると考えられている。これに対し、今回我々は、アンドロゲンが脳腫瘍において、これまで報告されていなかった腫瘍抑制の役割を持つことを報告する。我々はマウスモデルを用いて、去勢によるアンドロゲンの喪失は頭蓋内で腫瘍増殖を加速する一方で、頭蓋外の腫瘍では逆の効果(腫瘍増殖の遅延)が観察されることを実証する。同様の効果はGBM男性患者でも観察され、テストステロン治療によって死亡リスクが有意に低下した。GBM腫瘍を持つ雄のマウスでは、去勢は、血清中のグルココルチコイドレベル上昇によって駆動される全身性のT細胞機能障害を引き起こした。これらのグルココルチコイドは骨髄系細胞に作用して、免疫抑制性の腫瘍微小環境を促進した。機構的には、GBMを持つ去勢マウスにおける視床下部–下垂体–副腎軸の過剰活性化は、IL-1βとTNFを介した神経炎症シグナル伝達の上昇によって駆動される。空間トランスクリプトーム解析からはさらに、アンドロゲンの喪失はミクログリアにおけるインフラマソームの活性化を増強し、これが、この神経炎症状態を促進することが分かった。まとめると我々の知見は、アンドロゲンが欠乏した環境において脳腫瘍が明確な神経炎症と神経内分泌経路を駆動することを実証しており、抗腫瘍免疫の器官特異的な調節を浮き彫りにしている。

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