Article

行動科学:人間の協力は断続的に減少する

Nature 653, 8116 doi: 10.1038/s41586-026-10380-3

人間の協力は動的であり、良好な条件の下であってもしばしば減少する。多くの主流の理論では、協力の減少を戦略的行動または学習の観点から説明し、それを合理的行動あるいは合理性への進展の証拠と捉えている。今回我々は、長期的な減少の鍵となる原因が、時間の経過とともに体系的に変化する合理的行動からの逸脱に由来することを示す。我々は、実地における自然な社会的ジレンマ、すなわちシエラレオネのグループ融資を解析し、協力の動態を5年間にわたって追跡した。借り手は連帯責任契約を結び、グループ融資が全額返済されない場合、全てのメンバーが将来の融資を受けられなくなる仕組みになっている。この仕組みにより、ただ乗りへの誘因を伴う閾値型の社会的ジレンマが生じる。データセットには、7108人の借り手による4万7931件のグループ支払いが含まれており、これは半構造化面談の2段階クラスターサンプリングによって補完されている。我々は、行動機構によって駆動される、統計的にロバストな断続的減少パターンを見いだした。協力率は当初は高いものの、グループメンバーの協力の動機と努力が低下することによって、徐々に減少した。融資が再開され、顧客が協力責任を改めて意識付けられると、グループ構成員やジレンマの構造がほとんど変わらないにもかかわらず、急激な回復が起こった。このパターンは、5年間の観察期間を通じて持続したが、再開するたびに、その後の減少はより急速になった。これらの知見は、協力的なプログラムや社会制度における行動の減少防止に直接的な意味を持つ。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度