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微生物学:転位性遺伝因子がEnterococcus faeciumの急速な適応を駆動している

Nature 653, 8116 doi: 10.1038/s41586-026-10373-2

病原菌は、臨床的および宿主内の選択圧に迅速に適応する。挿入配列(IS)は、病原菌の適応に関与し得る転位性遺伝因子であるが、現代の臨床集団におけるその活性や結果は十分に特徴が明らかになっていない。今回我々は、大規模なゲノム調査と、臨床分離株のロングリード塩基配列解読および縦断的腸メタゲノムを組み合わせることで、病原体のIS動態を全体的パターンから宿主内進化に至るまで定量化した。公開されている1万9485件の高連続性ESKAPEE病原体ゲノムでは、Enterococcus faeciumゲノムのIS密度が最も高く、それらはISL3ファミリーの複製可能なエレメントが多数を占めていて、こうしたエレメントは過去30年間に臨床系統において増殖していることが分かった。我々は、単一病院から新たに得た血流分離株のコレクションにおいて、主にISL3が関与する広範な染色体構造多様性を見いだした。12人の造血細胞移植(HCT)レシピエントから採取した28の縦断的糞便試料のロングリードメタゲノム塩基配列解読により、宿主内のIS動態とその調節結果が実証された。1人の患者では、葉酸輸送体の上流にISL3が挿入されることで強力なプロモーターが形成された結果、転写が増加し、葉酸制限下での相対的適応度が向上していた。葉酸捕捉能が増強されることで、HCT患者や他の重篤な患者でよく見られるマイクロバイオーム崩壊の状況において、E. faeciumが増殖するのが可能になるのかもしれない。総合的にこれらの結果は、最近のISL3の拡大が、医療に関連したE. faeciumの急速な進化を駆動しており、その代謝適応度に及ぼす結果が、この病原体の臨床的負荷の増大の説明に役立つ可能性を示している。我々の調査では、他のいくつかの病原体でもIS量の上昇が示されており、これは、IS拡大を介した進化がより広範に関係している可能性を示唆している。

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