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神経科学:AhRの阻害はストレスと成長を切り替えることで軸索再生を促す

Nature 653, 8116 doi: 10.1038/s41586-026-10295-z

哺乳類の中枢神経系では、軸索の再生は限定的である。ニューロンは軸索損傷後にストレス応答と再生の要求のバランスを取らなくてはならないが、その機構は未解明である。今回我々は、リガンドによって活性化する塩基性ヘリックス・ループ・ヘリックス/PER-ARNT-SIM(bHLH-PAS)転写因子である芳香族炭化水素受容体(AhR)が、このストレスと成長の切り替えの鍵となる調節分子であることを突き止めた。我々は、リガンドを介したAhRシグナル伝達が軸索の成長を抑制する一方で、末梢神経および脊髄損傷のモデルの両方において、ニューロンにおけるAhRの欠失または薬理学的阻害は、軸索再生と機能回復を促進することを示す。機構研究からは、背根神経節ニューロンの軸索切断で誘導されるAhRの活性化が、組織の完全性を維持するために、タンパク質恒常性とストレス応答のプログラムを増強することが明らかになった。対照的に、AhRの除去は、ニューロンの応答を、de novo翻訳と成長促進シグナル伝達の上昇へと方向転換させ、これにより、軸索再生が可能になった。この成長促進効果にはHIF1αが必要であり、共通の転写標的には代謝および再生の経路が豊富に含まれていた。単一細胞およびエピゲノムの解析からはさらに、AhRレギュロンが統合的ストレス応答とDNAのヒドロキシメチル化を関与させて、ニューロンの損傷応答プログラムを再配線することも明らかになった。まとめると今回の知見は、AhRが軸索再生におけるニューロンのブレーキであることを確立するものであり、これによって周囲環境の感知・タンパク質恒常性・代謝シグナル伝達が統合され、ストレス適応と軸索修復のバランスが制御されている。

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