量子コンピューティング:8176モードで1024のスクイーズド状態を用いたガウシアンボソンサンプリング
Nature 653, 8115 doi: 10.1038/s41586-026-10523-6
大規模かつ高忠実度の量子プロセッサーの開発は、古典計算の限界を探り、フォールトトレラントな系に向けて前進する上では欠かすことのできない基本的な科学的課題である。ガウシアンボソンサンプリングは、量子計算の優位性を実証するための有力なモデルとしての役割を果たすだけでなく、フォールトトレラントな量子計算のためのボソン誤り訂正符号を生成することもできる。しかし、そのスケーラビリティーは、ますます大型化・複雑化する符号化回路における著しい光子損失によって妨げられてきた。今回我々は、1024の高効率スクイーズド状態を、時空間ハイブリッド符号化された8176モードの回路に組み込んだ、プログラム可能なフォトニック量子プロセッサー「九章(Jiuzhang)4.0」を提示する。このプロセッサーは、92%の光源効率と51%のシステム全体効率を達成することによって、最高3050の光子検出イベントを伴うサンプルを生成する。これは、これまでの実証と比較して1桁高いスケールである。このアーキテクチャーによって、接続性の立方スケーリング(163 = 4096)が実現され、約102461次元のヒルベルト空間におけるサンプリングが可能になった。この実験結果は、現在のあらゆる古典的シミュレーション手法、特に光子損失を利用するよう最近設計された行列積状態アルゴリズムに対して厳密に検証された。プログラム可能な低損失量子プロセッサーで数千の光子を制御する能力は、実験のフロンティアを古典的な処理能力のはるか向こうにまで押し進め、兆単位のキューモードの三次元クラスター状態や、フォールトトレラントなフォトニック量子ハードウエアへの道を開く。

