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がんゲノミクス:肺がん転移の進化的特徴付け
Nature 653, 8115 doi: 10.1038/s41586-026-10428-4
転移性播種を支配する生物学的過程についての理解が限られていることが、その予防と治療の妨げとなっている。今回我々は、TRACERx肺研究およびPEACE剖検プログラムに登録された非小細胞肺がん(NSCLC)患者24人から経時的に採取された501例の原発腫瘍および転移腫瘍検体を用いて、診断から死亡までの腫瘍進化を推定した。死亡前に放射線画像上で検出された転移腫瘍の70%を網羅するDNA塩基配列解読データ、およびそれと対になる複数領域で採取された原発腫瘍のデータにより、転移腫瘍のゲノムがその祖先である原発腫瘍のゲノムから著しく分岐しており、転移性播種後に追加のドライバー変異が生じ、ゲノム倍加事象が起きていることを示す。患者の62.5%において、複数の原発腫瘍サブクローンが播種し、それぞれが別個の転移腫瘍を形成していた。これらの転移腫瘍は、さらなる拡散の供給源として機能した。すなわち、採取された転移腫瘍の半数以上は、他の転移腫瘍によって播種されたものであった。転移腫瘍がその場所に存在した期間は、さらなる転移を播種する可能性に影響を及ぼしていた。転移性の移動の大半は、同一の解剖学的腔内で始まり、同一の腔内で終わっていた。胸郭を出て転移を播種した少数のサブクローンは広く拡散しており、体細胞コピー数変化に富んでいた。これは、染色体不安定性が胸郭外への拡散を促進し得ることを示唆している。この空間的・時間的な進化解析は、単一の転移腫瘍生検では過小評価されがちな進行NSCLCにおける転移の多様性と播種の程度を浮き彫りにするものであり、転移進展のゲノム学的および臨床的な仲介因子を明らかにしている。

