免疫遺伝学:EBV株は宿主HLAと相互作用して上咽頭がんのリスクを高める
Nature 653, 8115 doi: 10.1038/s41586-026-10416-8
エプスタイン・バーウイルス(EBV)は世界的に成人の95%以上に感染しているが、中国南部では特に、上咽頭がん(NPC)のエンデミック(地域的流行)と関連付けられている。本研究で我々は、段階的な宿主–EBVゲノム相互作用解析により、HLA-A*11:01と高リスクEBVバリアント85841Gの間の遺伝的相互作用が、NPCリスクの主要な決定要因であることを明らかにする。感受性のHLA-A背景(HLA-A*11:01−あるいはHLA-A*02:07+)を有する高リスク85841G EBVの感染者は、相互作用によって駆動された、宿主やウイルスの単独の影響をはるかに上回る著しく高いNPCリスクを持つ、二重リスクサブグループを形成する。この二重リスクサブグループは、中国南部の人口の20.5%に相当し、NPC症例の約47%を占める。我々は、EBV 85841Gが、HLA-A*11:01に結合するEBNA3Bペプチドをコードしており、85841G保因株によって形質転換したEBV+ B細胞を溶解できる特異的なT細胞応答を引き起こすこと、そして、これがA*11:01保因者での唾液中のウイルス量の減少およびNPCリスクの低下と関連することを示す。進化的解析からは、85841Gが、古代に起きた北部と南部のEBV間の組換え事象によって生じ、その後、中国南部でクローン増殖したこと、そして、それが相互作用する宿主とウイルスリスク因子の共濃縮につながり、ひいてはNPCのエンデミックに寄与したことが分かった。これらの知見は、相互作用に駆動され、顕著に階層化されたNPCのリスク構造を明らかにするとともに、精密予防の機会を浮き彫りにしている。

