Article

医用生体工学:多重磁気共鳴画像化

Nature 653, 8114 doi: 10.1038/s41586-026-10475-x

磁気共鳴画像化(MRI)は、この50年間で放射線診断学と診断医学を一変させた。しかし、MRIの臨床応用は依然として、主に巨視的組織病理学の目視検査に限定されている。腫瘍、多発性硬化症(MS)、神経変性疾患などの疾患は非常に不均一なので、個別化精密医療に向けた組織性状診断用の定量的バイオマーカーを提供できる非侵襲性画像化技術の必要性が高まっている。今回我々は、複数の分子について高分解能の同時マルチパラメトリックマッピングを実現する、新たなMRIデータ取得処理法である「多重MRI(MRx)」を提示する。我々は、MRxが、標準的な臨床環境において、全脳の定量的な構造的バイオマーカー、生理的バイオマーカー、分子的バイオマーカーの大規模セットを得られることを実証した。さらに我々は、これらのバイオマーカーが、腫瘍やMSにおける疾患の細分類や病変の特性評価のための有効な組織状態指標を定義できる可能性があることも実証した。我々は、今回のMRxの新しい定量的多重画像化能力が、多くの神経疾患の診断、モニタリング、治療効果の評価におけるMRIの能力を大きく向上させ、研究と臨床応用の両方で脳の画像化を変革する可能性があると予想する。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度