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天文学:宇宙再電離時代に形成中の、化学的に原始的な超低光度矮小銀河
Nature 653, 8114 doi: 10.1038/s41586-026-10374-1
初代星や初代銀河が形成されたことで、宇宙の化学進化が始まったが、そうした始原的な系の直接観測は今なお困難である。本論文で我々は、ビッグバンから8億年後(赤方偏移zspec = 6.625 ± 0.001)の宇宙にある超低光度銀河LAP1-Bのジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)による分光観測結果を提示する。この銀河は、重力レンズ効果によって光が強く増幅されている。LAP1-Bの星間ガス中の酸素存在比は、太陽値の(4.2 ± 1.8) × 10−3倍であり、これまでに発見された中で最も化学的に原始的な星形成銀河である。この銀河は非常に硬い紫外線を放っており、これは、重元素を蓄積した星々や活動的なブラックホールとは一致しないが、重元素をほとんど含まない星々に関する理論的予測とは一致する。また、LAP1-Bは、星間ガスの重元素総量の割に酸素に対する炭素の割合が高く、これは、重元素が存在しない状況で形成された星々の元素合成の収率と整合する。さらに、星の連続光が検出限界を下回ることから、星質量は3300 M⊙未満に絞り込まれ、輝線の運動から導出された力学質量は、星とガスの総質量を上回っており、これは、銀河質量の大部分が暗黒物質ハローによって占められていることを示唆している。本研究の結果は、LAP1-Bを、「形成されつつある化石」、すなわち近傍宇宙で観測される化石天体である超低光度矮小銀河(UFD)につながる高赤方偏移の直接的な先祖と位置付けるものであり、銀河形成の最初期段階を解明する貴重な手掛かりを提供する。

