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微生物学:世界的発生源におけるパンデミックコレラの進化

Nature 653, 8114 doi: 10.1038/s41586-026-10340-x

コレラ菌(Vibrio cholerae)のエルトール型系統によって引き起こされたコレラの第7次パンデミック(世界的大流行)は、以前の研究で、バングラデシュとインドに接するベンガル湾から3つの世界的な波として広がったことが示されている。しかし、これらの世界的パンデミックの波を播種する上で、ガンジスデルタとガンジス川流域がそれぞれどのような役割を果たしたのかは分かっていない。今回我々は、バングラデシュとインドの間で伝播事象が繰り返し発生しているものの、両国のコレラ菌は過去20年間にわたり、おおむね別々に進化してきており、この進化は、ガンジスデルタやガンジス川流域のような水文学的特徴ではなく、国境によって制約されているようであることを示す。バングラデシュ国内での進化は、インドで見られるものとは異なり、遺伝子や転位性遺伝因子、とりわけファージ防御に関わるものの急速な獲得と喪失を伴っていた。これらの系の喪失は、重症疾患のリスク増加およびバングラデシュ国外への伝播と関連していた。2018年にバングラデシュで起きた系統置換は、ファージ防御系に大きな変化をもたらし、それに伴って、溶菌性ファージICP1の系統と抗防御系にも急速な変化が生じた。我々は、ガンジスデルタではなく、バングラデシュと北インドにまたがるガンジス川流域が、パンデミック疾患の世界的な出発点として機能している可能性が高いことを示す。この結果は、コレラの世界的発生源とされてきたバングラデシュに対する理解を変えるものであり、現在の第7次パンデミックにおける系統の拡散を制御する上でファージの潜在的役割を強調するものである。

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