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進化学:毛細気管–筋肉系を通じた酸素供給は昆虫の巨大化を制限しない
Nature 653, 8114 doi: 10.1038/s41586-026-10291-3
大気中の酸素が進化史を通じて昆虫の最大体サイズを規定してきたという考えは、一般書でも科学文献でも深く根付いている。30年前のNatureで、毛細気管レベルでの酸素の拡散の制限が昆虫の最大体サイズを制約し、後期古生代に大気中酸素濃度が上昇したことで昆虫の巨大化が可能になったという仮説が提唱された。今回我々は、昆虫の飛翔筋において毛細気管が占める相対的な空間が、(1)1万倍の体重範囲にわたってわずか1.8倍しか増加しないこと(10目44種の1320枚の顕微鏡写真に基づく)、(2)ほとんどの種において通常1%以下であること、(3)この関係をはるか昔に絶滅した巨大なトンボ様昆虫であるMeganeuropsis permiana(推定体重約100 g)まで拡張しても、この観察結果が成り立つことを示し、この仮説に異議を唱える。毛細気管の占有空間が小さいこと、また、体サイズの増大に伴う毛細気管への投資の増大が、進化的には明らかに可能性があるにも関わらず欠如していることは、毛細気管–筋肉系を通じた酸素の拡散輸送が、現生の昆虫または先史時代の巨大昆虫の最大体サイズを制限しないという説得力のある証拠となる。

