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代謝:細胞タイプを標的としたミトコンドリア移植による細胞変性の救済
Nature 653, 8113 doi: 10.1038/s41586-026-10391-0
神経変性疾患、視神経萎縮、心不全といった現在治療不能な多くの疾患がミトコンドリアの機能障害に関連している。健康なミトコンドリアの移植は、有望な治療戦略として提案されている。しかし、ドナーミトコンドリアを、疾患の影響を受けている細胞タイプに標的化する方法がないため、治療の特異性と有効性が制限されている。本研究で我々は、さまざまなタイプのタンパク質バインダーを用いて、特定の細胞タイプにミトコンドリアを送達するシステムMitoCatchを開発した。ドナーミトコンドリアは、細胞表面に提示された単一特異性バインダー、ミトコンドリアに提示された単一特異性バインダー、またはミトコンドリアと標的細胞をつなぐ二重特異性バインダーによって、標的細胞に捕捉される。我々は、MitoCatchを用いることで、ドナーミトコンドリアが標的細胞内に効率良く取り込まれ、細胞質ゾルに露出し、移動して、標的細胞内で融合・分裂することを示す。異なる親和性を持つバインダーを設計することにより、ミトコンドリア送達の効率を調整した。我々は、ヒトおよびマウスにおいて、網膜細胞タイプ、ニューロン、心臓細胞、内皮細胞、免疫細胞へ標的化したミトコンドリア移植を実証した。移植されたミトコンドリアは、視神経萎縮患者由来の損傷ニューロンの生存をin vitroで促進し、マウスのニューロン損傷後のニューロンの生存をin vivoで促進した。MitoCatchは、ミトコンドリア機能障害に関連する罹患器官において、疾患の影響を受けた細胞タイプへミトコンドリアを標的送達する有望な戦略となる。

