Article

古生物学:前期ペルム紀のミイラ化した爬虫類が明かす太古の羊膜類の呼吸器

Nature 653, 8113 doi: 10.1038/s41586-026-10307-y

肋骨による吸引呼吸は、羊膜類(哺乳類、爬虫類、鳥類およびそれらの共通祖先)が陸域を征服する上で不可欠な進化的新機軸であった。現生の羊膜類は、肋間筋によって生じる吸気と呼気のために、統合された胸郭骨格を用いているが、これは、より受動的な皮膚呼吸や口腔ポンプによる換気を行う無羊膜類の近縁類とは大きく異なっている。この違いは古生代にまでさかのぼるが、軟組織の化石が欠如しているため、これらの呼吸様式の間の進化的移行についてはまだ報告がなく、大部分が不明なままである。今回我々は、前期ペルム紀の爬虫類カプトリヌス(Captorhinus)のミイラ化した標本について報告する。この標本は、三次元的な皮膚の覆い、内因性のタンパク質残存物、軟骨が保存された完全な肩帯と胸郭を含む。これらの軟骨とタンパク質残存物はいずれも、陸生脊椎動物で保存されていたものの中では既知で最古のものである。高分解能の中性子コンピューター断層撮影と組織学データにより、軟骨性の胸骨、胸肋骨、肋骨延長部、上烏口骨など、これまで報告されたことのない構造が明らかになった。この太古の爬虫類の骨格復元によって、胸郭と肩帯の正確な関係、そしてそれらが陸上での呼吸様式と移動様式の進化において果たした極めて重要な役割が明らかになった。今回の知見は、地質学的な時間スケール(ディープタイム)での軟組織の保存に対する予想を大きく変えるものであり、祖先的な羊膜類の呼吸機構であった可能性のある仕組みと、それが陸生脊椎動物の進化に及ぼした影響を明らかにしている。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度