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ウイルス学:ガンマヘルペスウイルスのgBを標的とする広域防御抗体
Nature 653, 8113 doi: 10.1038/s41586-026-10192-5
ガンマヘルペスウイルスはヘルペスウイルスの亜科であり、アルファヘルペスウイルスやベータヘルペスウイルスとは系統学的に異なっていて、エプスタイン・バーウイルスやカポジ肉腫関連ヘルペスウイルスといった発がん性のサブタイプが特徴的である。ガンマヘルペスウイルスはヒトや他の脊椎動物に広く感染し、さまざまな疾患や悪性腫瘍の原因となる。しかし、各サブタイプあるいは科全体に利用できる特異的な抗ウイルス薬は存在しない。gBはヘルペスウイルス感染に極めて重要な共通した融合タンパク質であり、広域ワクチン開発の理想的な標的であるが、gBの構造や機構が明らかになっていないことが、この取り組みを妨げている。本論文で我々は、抗体Fab5による広域なgB結合と属交差性のあるウイルス中和の分子基盤について報告する。この抗体は、正常な免疫能を持つマウス、非ヒト霊長類、ヒト化マウスにおいて、マウス、アカゲザル、ヒトのガンマヘルペスウイルスによる本物のウイルスチャレンジに対して有効な防御を示した。クライオ電子顕微鏡構造によって、Fab5が、融合前および融合後の両状態において抗原として露出している、ガンマヘルペスウイルスgBの弱点である保存されたエピトープを標的とすることが明らかとなった。本結果は、Fab5が、ガンマヘルペスウイルスの感染と病態進行に対して広域に反応する属交差性を示す抗体であることを実証するだけでなく、ヘルペスウイルス感染で共通している可能性のある機構に関する手掛かりをもたらし、ガンマヘルペスウイルスに対する広域ワクチンの開発を促進するものである。

