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がん:疾患モデル研究資源によって明らかになった組織特異的がん進化の基本原理

Nature 653, 8113 doi: 10.1038/s41586-026-10187-2

KRASのようながん遺伝子は、その発がん能、遺伝的相互作用、表現型効果において顕著な組織特異性を示すが、その根底にある決定要因についてはほとんど明らかにされていない。本研究で我々は、こうした課題に取り組むために、広範な疾患カテゴリーにわたって包括的に特徴付けられた590のモデルからなる、汎用性の高い研究資源であるマウスがん細胞株アトラス(MCCA)を開発した(www.mcca.tum.de)。このプラットフォーム、ヒトコホート、マウスを用いた比較研究と機能研究によって、KRASによって開始されるがんの組織特異的進化の根底にある基本原理が特定された。我々は第一に、対立遺伝子不均衡による変異型KRASの遺伝子量増加が、細胞タイプ特異的な効果を発揮し、膵臓がんのイニシエーション時の遺伝子量感受性のある発生再プログラム化のように、疾患ごとのその発生時期を規定することを示す。第二に、腸における分化阻害のような、組織特異的および段階特異的な進化的要件が、KRASと協働する変化をどのように選択するかを明らかにする。第三に、KRASと腫瘍抑制因子のエピスタシスによる状況依存的な相互作用を見いだし、相互の遺伝子量感受性が、疾患特異的ながん遺伝子変化パターンを決定し、これにより、その頻度、接合性、獲得の時系列が説明できることを示す。これらの知見は、内因性の決定要因と獲得性の決定要因が異なる組織において、予測可能な分子パターン、時間的動態、および表現型の結果を伴うがんの進化を指示する仕組みを浮き彫りにしている。我々の研究は、がんゲノムの機構的理解に向けた大きな進展をもたらすものである。

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