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分子生物学:CRISPR–Cas12fホモログの外適応がRNA誘導型転写を促す

Nature 653, 8113 doi: 10.1038/s41586-026-10166-7

細菌の転写開始は厳密に調節された過程であり、カノニカルにはそれ専用のシグマ(σ)因子による塩基配列特異的なプロモーター認識に依存していて、これがRNAポリメラーゼ(RNAP)による機能的なDNA結合につながる。大腸菌(Escherichia coli)の7つのσ因子は性質が広く特徴付けられているが、バクテロイデス門の種は、特殊化していて細胞質外で機能するσ因子(σE)を数十種類コードしていて、これらの正確な役割は不明であることから、さらなる調節層が存在する可能性が示されている。今回我々は、ヌクレアーゼ活性のないCas12f(dCas12f)と複合体を形成したσE因子の協調作用が関与する、RNA誘導型の遺伝子活性化機構を明らかにする。RNAおよびクロマチンの免疫沈降実験(RIP–seq and ChIP–seq)を用いて、大腸菌で遺伝的に関連したdCas12fおよびσEホモログの大規模なセットをスクリーニングしたところ、最小限の5′-G標的隣接モチーフだけで、ガイドRNAのロバストな濃縮とDNA標的結合を示す系の存在が明らかになった。σEの動員はdCas12fおよびガイドRNAに依存しており、このため、直接的なタンパク質間相互作用の存在が示唆された。また、共発現実験から、dCas12f–gRNA–σEからなる三元複合体が、RNAPホロ酵素のプログラム可能な動員能を持つことが実証された。注目すべきことに、dCas12f–RNA–σE複合体は、必須のプロモーターモチーフが全く存在しない場合でも強力な遺伝子発現を駆動し、de novoの転写開始部位はdCas12fが仲介するRループからの相対的な距離によってのみ決定された。我々の知見は、CRISPR活性化(CRISPRa)技術を連想させる本来的な特徴を備えた、RNA誘導型転写という新しいパラダイムを明らかにしている。

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