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がん:大腸炎のエピジェネティック記憶は腫瘍増殖を促進する

Nature 652, 8110 doi: 10.1038/s41586-026-10258-4

慢性炎症は、がんの確立されたリスク因子であるが、その基盤となる分子機構はまだ明らかにされていない。今回我々は、大腸炎のマウスモデルを用いて、大腸幹細胞は、炎症が消失した後も100日以上にわたって炎症のエピジェネティック記憶を保持していることを実証する。我々は、大腸炎の記憶が、クロマチンアクセシビリティーの持続的変化を伴う、AP-1(activator protein-1)転写因子の累積的な活性上昇によって特徴付けられることを見いだした。我々はさらに、単一細胞における遺伝子発現、クロマチンアクセシビリティー、クローン履歴を同時にプロファイリングできる方法であるSHARE-TRACEを開発し、エピゲノム記憶の高解像度な追跡を可能にした。この手法により、大腸炎の記憶が細胞内在的に伝播され、幹細胞分裂を通じて受け継がれ、また一部のクローンは他よりも強い記憶を持つことが明らかになった。そして我々は、大腸炎が幹細胞をプライミングし、その結果、発がん性変異が生じた後にAP-1によって調節される遺伝子プログラムの発現が増強され、腫瘍増殖が加速することを示す。この表現型はAP-1活性に依存していた。まとめると今回の知見は、慢性炎症と悪性腫瘍の間の機構的な結び付きを示しており、このことは、再生組織における長寿命のエピジェネティックな変化がいかに疾患感受性に寄与し得るかを明らかにするとともに、慢性炎症疾患患者のがんリスクを軽減するための潜在的な診断法と治療戦略を示唆している。

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