Article

フォノニクス:電流注入型固体表面弾性波フォノンレーザー

Nature 649, 8097 doi: 10.1038/s41586-025-09950-8

表面弾性波(SAW)は、高周波フィルター、化学センサーや生物センサー、音響光学デバイス、ラボオンチップシステムにおけるマイクロ流体流の音響制御、量子フォノニクスなど、さまざまな技術を可能にしている。SAWの生成方法は数多く存在するが、いずれの方法にも本質的な制約があり、性能や高周波数での動作、サイズ・重さ・電力が制限されるシステムにおける使用が妨げられている。今回我々は、内部直流電流注入型広帯域半導体利得媒質を備えたニオブ酸リチウムSAW共振器で構成された、設置面積が0.15 mm2未満の完全固体型単一チップSAWフォノンレーザーを提示する。このデバイスは、36 Vのしきい値バイアス未満では共振増幅器として働き、それ以上ではコヒーレントな自励発振、狭線幅化、高い出力を示す。1 GHzにおいて最大−6.1 dBmのオンチップ連続音響出力が生成され、分解能限界線幅は77 Hz未満、キャリア位相雑音は1 kHzオフセットで−57 dBc Hz−1であった。我々は、詳細なモデル化を通して、10 GHzでのmHzの線幅、高い電力効率、550 μm2未満の設置面積など、こうしたデバイスの性能を向上させる道筋を示す。今回の実証は、オンチップ超高周波SAW源や、外部の高周波源を用いることなく動作可能なSAWベースの超小型システムへの道を開くものである。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度