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植物科学:エチレンは締め固まった土壌へ根を貫入させるために細胞壁の力学的性質を調節する

Nature 649, 8097 doi: 10.1038/s41586-025-09765-7

土壌が作物にもたらすストレスは、収量に影響を及ぼす世界的な農業課題である。締め固まった土壌は、植物ホルモンのエチレンによって駆動される、根の長さの減少と放射方向への肥大を引き起こす。今回我々は、エチレンが細胞壁の生合成を制御して、根の放射方向への肥大を促進する仕組みを報告する。締め固まった土壌がもたらすストレスが、エチレンを介して、根の皮層のAuxin Response Factor1の発現を上昇させ、これがセルロース合成酵素(CESA)遺伝子群を抑制する仕組みが実証された。CESAの抑制は、根の皮層細胞の細胞壁の厚みを調節することで、これらの細胞の放射方向への肥大を駆動し、結果的に、表皮はより厚く、皮層はより薄くなる。我々の研究は、エチレンシグナル伝達と根の細胞壁リモデリングを結び付け、また、セルロース合成の動的調節が締め固められた土壌での根の伸長を制御する仕組みを明らかにしている。

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