Article

電池:高電圧アノードフリー・ナトリウム–硫黄電池

Nature 649, 8096 doi: 10.1038/s41586-025-09867-2

室温ナトリウム–硫黄(Na–S)電池は、元素存在度と理論的電気化学性能が高いので、従来のリチウム(Li)ベースの系に対して持続可能なエネルギー貯蔵の解決策をもたらす。しかし、その実際的応用は、放電電圧の低さと、主に過剰なNa金属アノードの必要性によって大きく阻まれている。今回我々は、高原子価硫黄/四塩化硫黄(S/SCl4)カソード化学とアノードフリー構成を特徴とする、3.6 VクラスのNa–S電池について報告する。我々は、ジシアナミドナトリウム(NaDCA)によって、不燃性クロロアルミネート電解質中で可逆的S/SCl4変換とNa析出/溶出が同時に実現可能になることを示す。この設計により、カソードとアノードの両方を含めた総電極質量に基づいて計算すると、1198 Wh kg−1という最大エネルギー密度と、2万3773 W kg−1という最大電力密度が可能になった。我々はまた、ビスマス配位共有結合性有機構造体(Bi-COF)触媒(添加量8 wt%)をSカソードに取り入れることによるS/SCl4変換の促進も実証しており、これによって1206 mAh g(硫黄+触媒)−1という優れた放電容量が実現され、総電極質量に基づく計算で2021 Wh kg−1という最大エネルギー密度に寄与した。今回のアノードフリーNa–S電池は、1 kWh当たり5.03米ドルという推定コストと優れたスケーラビリティーを示しており、グリッドエネルギー貯蔵やウエアラブル電子機器に有望である。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度