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がん:黒色腫の転移ではリンパ節の環境がFSP1の標的化可能性を後押しする
Nature 649, 8096 doi: 10.1038/s41586-025-09709-1
フェロトーシスは、治療抵抗性や転移性のがんを除去するための実行可能な標的であることが明らかになっている。しかし、がんでは、どのフェロトーシス監視系が酸化還元不適応を活用する治療機会を提供するのかは明らかでない。黒色腫では、グルタチオンペルオキシダーゼ4(GPX4)が血行性転移の際にフェロトーシスを妨害するが、リンパ性転移の際にはこれが必須ではない。今回我々は、リンパ節転移に関して選択されたマウス転移性黒色腫モデルを用いて、リンパ節由来の転移細胞では、その親細胞と比べるとグルタミン酸–システインリガーゼ(GCLC)の発現が顕著に減少し、グルタチオン(GSH)レベルが低下していることを示す。この代謝シフトは、リンパ節の低酸素ニッチ内で起こる。これと同程度の低酸素条件下では、GPX4はユビキチン化され、プロテアソームによる分解を受ける。これに応答して、リンパ節転移細胞は核周辺リソソームに局在するFSP1(ferroptosis suppressor protein 1)への依存度が増大する。これらの知見は、GPX4軸への依存が低下したために、黒色腫細胞はFSP1への依存へシフトできるようになったことを明らかにしている。FSP1の選択的阻害剤(viFSP1およびFSEN1)を用いる腫瘍内単剤療法は、リンパ節での黒色腫増殖を効果的に抑制するが、皮下腫瘍内では抑制が見られず、これはFSP1への微小環境特異的依存性をはっきり示している。従って、リンパ節でFSP1を標的とすることは、黒色腫の進行を阻止する可能性が高い。

