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ニューロン発生:アリの嗅覚ニューロンが1つにつき1つの受容体を持つことを保証する転写干渉

Nature 648, 8093 doi: 10.1038/s41586-025-09664-x

感覚ニューロンは、その特異性を保証するために、しばしば膨大な遺伝子ファミリーの中から単一の受容体分子を選んで発現し、「1つのニューロンにつき1つの受容体」のルールを守っている。例えば、哺乳類の嗅覚ニューロンは、それぞれ単一の嗅覚受容体(Or)遺伝子を発現している。約60のOr遺伝子を持つショウジョウバエ(Drosophila)では、この選択は決定論的に決まる。一方、マウスは1000以上の選択肢からたった1つのOrを選ぶという難問に直面するが、確率的な選択という複雑なシステムを介して、この問題を解決している。アリも多数のOr遺伝子を持ち、その大半は哺乳類のものと同様に縦列に並んで配列しているが、その調節機構は独立して進化したものである。今回我々は、インドクワガタアリ(Harpegnathos saltator)で、個々の嗅覚ニューロンが、Or遺伝子塩基配列内の単一のプロモーターを活性化して、キャップを持ちポリアデニル化された成熟mRNAを生産することを示す。遺伝子塩基配列中で下流にあるプロモーターは不活性だが、おそらくRNAポリメラーゼIIの転写終結が非効率的なために、全ての下流遺伝子は活性プロモーターからの転写の読み過ごしによって転写される。しかし、この読み過ごしは、転写干渉を介して下流のプロモーターを抑制すると見られ、その結果、キャップを欠く不完全な転写産物になって翻訳されず、単一の活性遺伝子のみの発現が保証される。同時に、選ばれたOrプロモーターを起点とする長いアンチセンスの転写が上流の遺伝子群を覆って、おそらくそれらをサイレンシングする。このように、アリは、機能的に類似したプロモーター群を持つOr遺伝子塩基配列から単一のORタンパクを発現するために、独特な転写–干渉ベースの機構を進化させたように思われる。

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