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神経科学:チオルファンは脊髄損傷後のニューロンを再プログラム化して機能的再生を促す
Nature 648, 8093 doi: 10.1038/s41586-025-09647-y
我々は以前に、脊髄損傷後に皮質脊髄路の運動ニューロンのトランスクリプトームに胚発生様のシフトが起こり、これが軸索再生の成功に関連することを突き止めた。今回我々は、この転写上の再生「シグネチャー」を利用して、in silicoスクリーニングによって、類似のトランスクリプトームシフトをもたらす低分子群を特定し、中性エンドペプチダーゼ阻害剤であるチオルファンがリード候補であることを明らかにする。新規な成体運動皮質ニューロンのin vitroスクリーニングにおいて、チオルファンは神経突起の伸長を1.8倍増大させた(P < 0.001)。次に我々は、重度のC5脊髄挫傷の2週後からチオルファンの中枢神経系への注入を開始し、これを神経幹細胞移植と組み合わせたところ、チオルファンは前肢機能(P < 0.005)および皮質脊髄路再生(P < 0.05)に有意な改善をもたらした。臨床的意義をさらに拡張する結果として、チオルファンは、56歳のヒトに由来する初代培養皮質ニューロン培養においても、神経突起伸長を有意に増大させた。今回の知見は、in silicoスクリーニングを起点として成体ヒト脳組織培養での概念実証に至るという、新たな創薬の道筋を示すものである。

