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進化学:イシサンゴにおける条件的共生の進化
Nature 648, 8093 doi: 10.1038/s41586-025-09623-6
イシサンゴの大半は絶対共生生物で、特殊化した細胞内に共生する渦鞭毛藻類の光合成活動によって供給される栄養に依存している。この共生コンソーシアムの崩壊は、サンゴの白化、ひいては死滅につながる。しかし、一部のサンゴ種は条件的共生を行い、長期間の白化を生き延びることができる。こうしたレジリアンス(復元力)にもかかわらず、その根底にある生物学的機構はほとんど解明されていない。今回我々は、地中海の高温耐性サンゴであるオクリナ属サンゴOculina patagonicaにおいて、条件的共生のゲノムおよび細胞の基盤を調べた。我々は、O. patagonicaの染色体規模のゲノムの塩基配列解読およびアノテーションを行い、この種と、2種の絶対共生サンゴについて細胞アトラスを構築した。比較ゲノム解析から、全てのイシサンゴ類における核型およびシンテニーの保存と、主に縦列重複によって駆動される、種特異的な遺伝子拡張が明らかになった。共生サンゴと非共生サンゴの野生個体における単一細胞トランスクリプトームのプロファイリングからは、食作用を持つ免疫細胞の増加と、胃真皮の遺伝子発現の、成長関連機能から静止期の上皮様状態への代謝移行が明らかになった。宿主細胞の種間比較により、オクリナ属特異的な代謝適応とシグナル伝達の適応が明らかになり、これは、生存を共生状態から切り離す日和見的な二重摂餌戦略を示している。

