天文学:人工衛星のメガコンステレーションは宇宙天文学に対する脅威となる
Nature 648, 8092 doi: 10.1038/s41586-025-09759-5
急速に増え続けている衛星コンステレーションは、科学コミュニティーにおいて強い懸念を引き起こしている。人工衛星からの反射光は肉眼でも見えることがあり、専門的な望遠鏡にとっては極めて明るい。これらの光跡は既に、全ての電磁スペクトルにわたって天文学画像に影響を及ぼしており、運用と影響軽減の取り組みに著しいコストが生じている。一般的な認識と異なり、人工衛星の光跡は地上に設置された天文台のみならず、ハッブル宇宙望遠鏡などの宇宙天文台にも影響を及ぼす。しかし、人工衛星の現在の数は、次の10年間で打ち上げ予定の人工衛星の数のほんの一部(3%未満)に過ぎない。今回我々は、提案されている通信業界の衛星コンステレーションに基づき、一連の国際的な低軌道宇宙望遠鏡に対する、人工衛星の光跡による汚染レベルを予測した。我々の結果は、もしこれらの衛星コンステレーションが完成した場合、ハッブル宇宙望遠鏡の画像の3分の1が汚染されることになる一方、SPHEREx(Spectro-Photometer for the History of the Universe, Epoch of Reionization and Ices Explorer)、ARRAKIHS(Analysis of Resolved Remnants of Accreted galaxies as a Key Instrument for Halo Surveys)、巡天宇宙望遠鏡はそれらの露出の96%以上が影響を受け、1回の露出でそれぞれ5.6+0.3−0.3、69+21−22、92+11−10本の光跡が映り込み、それらの平均表面光度はμ = 19 ± 2 mag arcsec−2になることを示している。我々の結果は、人工衛星の光による汚染が宇宙望遠鏡の運用に対して増大する脅威であることを実証している。我々は、衛星コンステレーションの影響を最小限に抑え、研究者が科学的観測結果からの好ましくない人工衛星の光害を予測・モデル化・是正するのを可能にする、一連の取り組みを提案する。

