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素粒子物理学:259日分のKATRINデータに基づくステライルニュートリノ探索

Nature 648, 8092 doi: 10.1038/s41586-025-09739-9

ニュートリノは、宇宙で最も豊富に存在する、物質を構成する基本的な粒子であり、素粒子物理学と宇宙論で極めて重要な役割を果たしている。約25年前に発見されたニュートリノ振動は、既知の3種のニュートリノが互いに混合することを示している。原子炉実験や放射線源実験から得られた異常な結果は、弱い力を通じて相互作用することのない第四のニュートリノ状態、すなわちステライルニュートリノが存在する可能性を示唆している。カールスルーエ・トリチウム・ニュートリノ(KATRIN)実験は、主にトリチウムのβ崩壊を用いたニュートリノ質量の測定用に設計されたものだが、こうしたアノマリーによって示唆されるステライルニュートリノの探索も行っている。ステライルニュートリノ信号は、β崩壊エネルギースペクトルのゆがみとして現れ、ステライルニュートリノ質量に関連する、曲率の不連続性(キンク)を特徴とすると考えられる。この特徴は、スペクトルの絶対正規化ではなく形状のみに依存し、原子炉実験を補完するロバストな手法をもたらす。今回我々は、トリチウムのβ崩壊において、終端エネルギーの40 eV手前までの領域で259日間の測定で記録された3600万個の電子のエネルギースペクトルを解析した結果を報告する。得られた結果は、ガリウムのアノマリーによって示唆されたパラメーター空間のかなりの部分を排除しており、Neutrino-4実験の主張に疑問を投げ掛けている。他のニュートリノ消失実験と合わせて、KATRINは、ステライルニュートリノとアクティブニュートリノの質量差を1 eV2未満から数百eV2までの広い範囲で探索し、混合角が数パーセントを超える軽いステライルニュートリノを排除している。

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