Article

素粒子物理学:全チャームテトラクォークのスピンとパリティの決定

Nature 648, 8092 doi: 10.1038/s41586-025-09711-7

従来のクォーク模型では、3つのクォークからなるバリオン(陽子や中性子)と、クォーク–反クォーク対からなるメソンの存在が説明される。4つまたは5つのクォークや反クォークからなるエキゾチックな状態についてかなりの証拠が蓄積され始めたのは、ごく最近のことである。そうした状態の内部構造の正確な性質は依然としてよく分かっていない。今回我々は、2016〜2018年に大型ハドロン衝突型加速器(LHC)のCMS実験によって収集されたデータを使用して、3種類の全チャームクォークについて量子数を初めて測定した結果を報告する。この新たなエキゾチック状態には、ヒッグスボソンの発見と評価用に開発された角度解析技術が適用された。我々は、パリティP対称性および荷電共役C対称性の量子数が+1であることを見いだした。このエキゾチック状態のスピンJは、2と矛盾しないことが確かめられた一方、0と1はそれぞれ95%および99%の信頼水準で除外された。JPC = 2++と決まったことで、構成スピンと軌道角運動量の特定の配置が示唆され、これによって、こうしたテトラクォークが取り得る内部構造が絞り込まれた。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度