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神経科学:数日スケールの痕跡として働くアストロサイト・アンサンブルは記憶を安定化させる

Nature 648, 8092 doi: 10.1038/s41586-025-09619-2

想起された記憶は一時的に不安定になり、安定化が必要となる。生存に重要な体験の記憶(しばしば強い情動を伴って繰り返される)を安定化する機構については、まだ明らかにされていない。本研究で我々は、情動体験によって転写的にプライミングされ、再体験によって機能するアストロサイト・アンサンブルが、不安定な記憶を安定化することを特定した。まず、脳規模のFosの新たな標識法と画像化法を用いて、Fosを発現する一部のアストロサイト(アストロサイト・アンサンブル)は、記憶の情報が保存されるエングラム領域に選択的に活性化され、この活性化は恐怖条件付け(初回体験)時より想起(再体験)時に広範にわたることを明らかにした。次に、2段階からなるアストロサイト・アンサンブルの活性化機構が見いだされた。1段階目は、初回の恐怖体験後に1日かけて、一部のアストロサイトにおいてノルアドレナリン受容体が発現上昇するという緩やかなアストロサイトの状態変化である。2段階目は、再体験(恐怖想起)時の強化されたノルアドレナリン応答により、アストロサイトは局所的エングラムと長距離のノルアドレナリン作動性投射からの同時の信号を統合できるようになり、その結果として誘発されるFosや神経調節分子IGFBP2の発現上昇を伴う二次的なアストロサイト状態変化である。アストロサイト・アンサンブルのシグナル伝達を薬理学的あるいは遺伝学的に摂動すると、エングラム、記憶の安定性および正確性が変化した。このように、アストロサイト・アンサンブルは、体験依存的な神経活動後にアストロサイトサブセットにおいて数日にわたる痕跡として働き、将来的な再体験を捕捉して記憶を安定化するのに適している。

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