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分子生物学:KCTD10は同方向性の転写–複製コンフリクトを感知する分子である

Nature 648, 8092 doi: 10.1038/s41586-025-09585-9

DNA複製の際に、レプリソームはさまざまな障壁や障害物を取り除かなくてはならず、その中には転写装置も含まれる。転写–複製コンフリクト(TRC)は、レプリソームと転写装置が衝突したときに生じ、哺乳類のゲノム不安定性の重要な原因の1つであると認識されつつある。しかし、レプリソームによるTRC部位の迂回を細胞が促す仕組みは、十分に解明されていない。今回我々は、CUL3–KCTD10 E3リガーゼがTRCを感知し、RNAポリメラーゼ複合体のリモデリングを促進してレプリソームの迂回を可能にしていることを示す。基質のアダプターKCTD10がレプリソームと転写装置に結合し、ストレスのかからない条件下においてもこの両方を調節することが分かった。このような2価の相互作用によって、KCTD10は同方向性のTRCを検知し、さらにKCTD10複合体の高次の会合が促進されて、それがCUL3を誘引して、RNAポリメラーゼ因子TCEA2のユビキチン化による除去を引き起こす。KCTD10がないと、TCEA2とRNAポリメラーゼ複合体の保持持続時間が長くなり、TRCの蓄積とDNA損傷増加の原因となる。これらの結果から、転写の活発な領域中でCUL3–KCTD10の独特な架橋機能を用いて複製が進行する仕組みが明らかになった。今回の知見は、転写と複製の間の協調がどのようにしてゲノム安定性の維持に寄与しているのか、その枠組みを示している。

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