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進化学:指の進化における祖先的な総排泄腔調節領域の転用
Nature 648, 8092 doi: 10.1038/s41586-025-09548-0
脊椎動物の進化における鰭から肢への移行は、発生がいかに進化的変化の基盤となっているかについての研究の中核となってきた。この文脈では、新しい特徴の起源を説明するために、Hox遺伝子調節の機能解析を用いた進化の軌跡の推定が極めて重要となっている。四肢類では、発生中の指におけるHoxd遺伝子の転写は、大規模な調節領域を形成するエンハンサー群に依存している。指を持たないゼブラフィッシュに、これと対応するシンテニー領域が存在することは、遠位の鰭と肢との間に古い相同性や共通の発生基盤があることを示唆している。しかし、この調節プログラムがどのように進化したかについては、まだ明らかにされていない。今回我々は、ゼブラフィッシュのHoxd調節領域の機能を、その全体の欠失による影響を比較評価することによって遺伝学的に評価した。その結果、マウスの場合とは異なり、魚類でこれらの領域を欠失させても、遠位の鰭の発生においてhoxd遺伝子の転写を阻害しないことが示された。対照的に、この欠失は総排泄腔(祖先的に哺乳類の泌尿生殖洞と関連する構造)での発現喪失につながること、そして、遠位のhox13遺伝子が正常な総排泄腔の形成に不可欠であることが見いだされた。マウスの泌尿生殖洞のHoxd遺伝子調節も、指の発生を制御する当該クロマチンドメイン内に位置するエンハンサーに依存していることから、遠位肢で働いている現在の調節領域は、既存の総排泄腔調節機構が四肢類において丸ごと転用されたものと考えられる。

