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ゲノミクス:漢民族系の人々の集団特異的な多遺伝子リスクスコア
Nature 648, 8092 doi: 10.1038/s41586-025-09350-y
個人のゲノムプロファイルに基づく複雑な疾患のリスク予測は、ヒトの遺伝学で進歩している分野である。しかし、これまでの遺伝学研究の大半はヨーロッパ系集団に集中しており、精密医療において世界的な不均衡が生じるとともに、非ヨーロッパ系集団のゲノム研究の必要性が浮き彫りになっている。台湾精密医療イニシアチブ(TPMI)には台湾居住者50万人以上が参加しており、漢民族系の人々についての遺伝子プロファイルと電子医療記録データの大規模なデータセットが利用可能となっている。今回我々は、広範な表現型データを用い、漢民族の参照集団と遺伝的に類似した人々について、医学的フェノームにわたり包括的なゲノム解析を行った。その結果、集団特異的な遺伝的リスクバリアントが明らかになり、さまざまな複雑形質について新たな知見が得られた。我々は、多遺伝子リスクスコアを開発し、心血管代謝疾患、自己免疫疾患、がん、感染症などの疾患に対する強力な予測性能を実証した。また、独立したデータセットである台湾バイオバンク、そして、英国バイオバンクおよびAll of Usプロジェクトの東アジア系の人々において、一致した知見を観察した。特定された遺伝学的リスクは、TPMIコホートにおける全般的な健康状態の差異の最大10.3%を説明した。フェノーム規模のゲノム全体像の特徴付け、集団特異的なリスク予測モデルの開発、それらの性能評価、健康に及ぼす遺伝学的影響の特定に関する我々の手法は、他のさまざまな研究集団における同様の研究のモデルとなる。

