遺伝学:ヒト変異のホットスポットは精原細胞のクローン増殖を指し示す
Nature 647, 8089 doi: 10.1038/s41586-025-09579-7
再生中の組織では、選択優位性をもたらす変異がクローン増殖を引き起こすことがある。体細胞組織とは対照的に、精原細胞のクローン増殖(CES)を引き起こす変異は、次世代にも伝達される。その結果、CESドライバーのde novo変異率が効果的に上昇する。CESは元々、アペール症候群を引き起こすde novo変異の頻度が極度に高いことから発見された。今回我々は、ヒトのde novo変異のホットスポットとしてCESドライバーを発見するための系統的な手法を開発した。希少疾患であることが確認された5万4715組の両親と子の3人組、6065組の対照3人組、ほとんどは健康な80万7162人からなる多様な集団についての我々の解析から、妥当と思われる疾患特定モデルとは一致しないde novo変異率を示す遺伝子が特定された。我々は、機能喪失(LoF)部位で高頻度に変異を起こす23遺伝子を、候補CESドライバーとして提案する。さらに別の17遺伝子は個々の位置でミスセンス変異が高頻度に起こることを特徴としており、これは、CESが機能獲得を介して作用することを示唆している。CESは、対照3人組と精子の両方においてLoF遺伝子の平均変異率をおよそ17倍に、精子におけるプールされた機能獲得部位の平均変異率をおよそ500倍に上昇させた。男性の生殖細胞系列における正の選択は、遺伝疾患の有病率を上昇させ、多型レベルを増加させるため、ヒト集団における負の選択の影響を覆い隠している。疾患コホートでは19のLoF CESドライバー候補について過剰な変異が見られるにもかかわらず、疾患との因果関係の明確な証拠を示すのはわずか9ドライバーであり、これは、CESによって疾患の関連が偽陽性として検出される可能性があることを示唆している。

