Article
神経科学:行動中のショウジョウバエにおける肢の自己受容の選択的シナプス前抑制
Nature 647, 8089 doi: 10.1038/s41586-025-09554-2
四肢の制御には、関節の位置と動きを感知する自己受容感覚ニューロンからのフィードバックが必要である。自己受容フィードバックは、それぞれの行動の文脈に調整されていなければならないが、その根底にある回路機構はほとんど分かっていない。今回我々は、行動中のショウジョウバエ(Drosophila)でカルシウム画像化を行い、位置を符号化している肢の自己受容器の軸索は広範な行動にわたって活動しているのに対し、動きを符号化している肢の自己受容器の軸索は歩行中やグルーミング中には抑制されていることを見いだした。コネクトミクスを用いることで、動きを符号化する自己受容器の軸索にGABA作動性のシナプス前抑制をもたらしている、特定のクラスの介在ニューロンが突き止められた。これらの介在ニューロンは、並行する興奮性と抑制性の下降路から入力を受けており、これらの経路は、文脈特異的かつ肢特異的な様式で一連の介在ニューロンを駆動する位置にある。介在ニューロンと下降性入力の両方のカルシウム画像化によって、それらの活動は、肢の自己運動とは相関しているが、受動運動とは相関していないことが確認された。まとめると今回の知見は、自己運動において特定の自己受容フィードバックシグナルを抑制する神経回路の存在を明らかにしている。

