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遺伝学:ヒト膀胱での体細胞変異選択における性別と喫煙のバイアス
Nature 647, 8089 doi: 10.1038/s41586-025-09521-x
男性はいくつかのタイプのがんで女性よりもリスクが高い。膀胱がんのリスクは4倍高いが、その理由は明らかになっていない。喫煙も膀胱がんを含む複数の腫瘍タイプで主要なリスク因子となっている。腫瘍発生は体細胞変異によって駆動されることから、我々は、正常な膀胱におけるクローンの状況は性別や喫煙歴によって異なるのではないかと考えた。超高深度二本鎖DNA塩基配列解読法(約5000×)を用いて、45人から採取した正常な膀胱の試料79点に対して、16の遺伝子で数千のクローナルなドライバー変異を特定した。タンパク質に影響を与えない変異のレベルは男性と女性で同程度だったにもかかわらず、男性では女性よりも、RBM10、CDKN1A、ARID1Aで切断型ドライバー変異が有意に多かった。この結果は、男性の尿路上皮では、これらの遺伝子で切断型ドライバー変異に対してより強い正の選択が働いていることを示している。また、正常な膀胱で、年齢や喫煙と強く関連するクローン増殖を駆動する活性型TERTプロモーター変異が見つかった。これらの知見は、性別や喫煙などの膀胱がんのリスク因子が、正常な尿路上皮のクローン状況を形成することを示している。この方法で多数の変異が見つかったことは、数千のin vivo変異(つまり天然の飽和変異誘発)の機能的な影響を研究するための新たな戦略を提示しており、これは他のヒト組織にも拡張可能である。

