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環境経済学:コスト効率の高い鉄鋼脱炭素化への技術的経路
Nature 647, 8088 doi: 10.1038/s41586-025-09658-9
鉄鋼セクターは、排出量ネットゼロの国家的取り組みの中核であるが、排出削減は依然として困難である。工場の多様性や経済的制約を考慮すると、既存の脱炭素化ロードマップは、個々の工場に技術選択の指針を与えることができていない。今回我々は、世界的な工場レベルの2つのデータセットと技術コスト予測を統合することで、世界の各工場に対して、国のカーボンニュートラル目標に沿った最もコストの低い技術経路を特定するモデルを開発した。短期的(2030年まで)には、エネルギー効率の向上とスクラップ再利用が最も安価な脱炭素化戦略であり、これにより世界の累積二酸化炭素(CO2)排出量はそれぞれ7.8 Gtと7.2 Gt削減され、CO21 t当たりの平均削減コストはそれぞれ−8.5米ドルと0.3米ドルとなった。長期的(2030年以降)には、炭素回収付き溶融還元が技術的に成熟して経済的に実現可能になり、約6.0 GtのCO2削減が、中国の工場ではCO2 1 t当たり7~15米ドル、日本、韓国、ヨーロッパの工場ではCO2 1 t当たり26~75米ドルのコストで達成できる見込みである。2040年以降は、ヨーロッパの工場で、環境に優しい水素を用いた鉄鋼生産によりさらに0.3 GtのCO2削減が達成され、そのコストはCO2 1 t当たり27~44米ドルと見積もられた。今回の研究では、ステークホルダーの経済的利益と気候目標を調和させるよう工場別に最低コストの技術経路が調整されており、これによって実施可能な脱炭素化戦略が可能になり、世界のネットゼロ目標達成が支援される。

