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気候科学:南極棚氷の60%の存続能力を脅かす海洋温暖化
Nature 647, 8088 doi: 10.1038/s41586-025-09657-w
南極氷床の浮遊する縁辺部である棚氷は、海洋への氷の流れを抑制しており、その消失は海水準上昇への南極の寄与を大きく加速すると思われる。温暖化する世界におけるその存続能力は、大気の温暖化の影響に着目した多くの研究の動機となっている。今回我々は、棚氷の存続能力という概念を全体論的な方法で再検討し、大気と海洋の両方に起因する質量損失を考慮して、棚氷が現在の形態をほぼ維持できなくなる時期を見積もった。我々は、地球温暖化がおおむね2℃以下に保たれるシナリオでは、2300年までに存続可能ではなくなる可能性が高いのは、64カ所の棚氷のうちで1カ所のみであることを示す。2300年までに地球温暖化が12℃近くに到達するシナリオでは、地球温暖化が4.5℃を超えると多くの棚氷が存続可能ではなくなり、損失は主に海洋によって引き起こされる融解の増加に起因すると示された。このシナリオでは、2150年までに26カ所の棚氷が、2300年までに38カ所の棚氷が存続可能ではなくなる可能性が高い。これら38カ所の棚氷によって抑制されている氷床領域の損失は、10 mの海水準上昇に相当する可能性がある。今回の見積もりは、存続不可能性に達する最も遅い限界値であり、特に水圧破砕との相乗効果によって、棚氷の崩壊がさらに早く起こる可能性がある。

