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神経科学:発生・発達中のヒト新皮質の分子的および細胞的な動態

Nature 647, 8088 doi: 10.1038/s41586-024-08351-7

ヒトの新皮質の発生・発達は、非常に動的であり、遺伝子調節によって制御される複雑な細胞軌跡が関わっている。今回我々は、前頭前皮質と一次視覚皮質の両方を含む、ヒト新皮質38試料から、単一核のクロマチンアクセシビリティーとトランスクリプトームをペアとしたデータを取得した。これらの試料は、第1トリメスターから青年期までの5つの主な発生・発達段階にわたっている。並行して、試料の一部について空間トランスクリプトーム解析を行って、空間構成と細胞間コミュニケーションを明らかにした。このアトラスによって神経分化の基盤となる、細胞タイプ特異的、齢特異的、領域特異的な遺伝子調節ネットワークのカタログを作成できた。さらに、単一細胞プロファイリング、前駆細胞の純化、細胞系譜追跡実験を組み合わせることで、ニューロン発生からグリア発生への移行過程における前駆細胞サブタイプ間の複雑な細胞系譜関係を解明した。我々は、GABA作動性ニューロン、オリゴデンドロサイト前駆細胞、アストロサイトの局所産生を担う、三分化能を持つ中間的前駆細胞サブタイプであるTri-IPC(tripotential intermediate progenitor cell)を特定した。興味深いことに、ほとんどの神経膠芽腫(グリオブラストーマ)細胞は転写レベルでTri-IPCに類似していた。これは、がん細胞は発生・発達過程を乗っ取って、増殖と不均一性を高めることを示唆している。その上、我々のアトラスデータを大規模なゲノム規模関連解析データと統合して疾患リスク地図を作成したところ、第2トリメスターの終脳内投射(IT)ニューロンにおいて自閉スペクトラム症に関連するリスクが高まっていることが示された。我々の研究は、発生・発達中のヒト新皮質の分子的および細胞的な動態を明らかにしている。

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