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化学:ウルマン型カップリング反応における銅の酸化還元挙動の解読
Nature 646, 8087 doi: 10.1038/s41586-025-09627-2
銅触媒を用いるハロゲン化アリールの官能基化は、炭素–炭素結合や炭素–ヘテロ原子結合を形成する最も望ましい方法の1つである。しかし、触媒サイクルにおける銅種の酸化還元挙動はまだよく分かっておらず、議論の対象になっている。今回我々は、明確に定義されたCu(I)錯体と電子不足のヨウ化アリールとの反応に関して実験面および理論面からの機構研究を行い、この反応が単離可能なCu(III)–アリール錯体の形成につながり、続いて還元的脱離によりC(sp2)–CF3結合を形成することを報告する。実験と理論を組み合わせて得られた今回の知見から、この過程が一連のCu(I)/Cu(III)/Cu(II)/Cu(III)/Cu(I)酸化還元を通して進行することが示された。我々は、温度を制御することによって、この一連の酸化還元を何とか中断させ、さまざまな分光法を通して銅種の反応性を捉えており、これによって詳細な機構解析が可能になった。これらの知見は、銅種の複雑な挙動に光を当てるとともに、Cu(I)とヨウ化アリールの反応に関する従来の機構案に異議を唱えるものであり、銅触媒カップリング反応の機構的側面に新たな視点をもたらしている。

