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代謝:分枝脂肪酸のペルオキシソームでの代謝はエネルギーの恒常性維持を調節している

Nature 646, 8087 doi: 10.1038/s41586-025-09517-7

褐色脂肪細胞とベージュ脂肪細胞はミトコンドリア脱共役タンパク質1(UCP1)を発現しており、これは呼吸をATP合成から切り離して、熱産生とエネルギー消費を促進している。しかし、UCP1−/−マウスは肥満ではなく、これは代わりとなる熱産生機構の存在を示している。今回我々は、UCP1非依存性の熱産生機構について述べる。この機構では、モノメチル分枝鎖脂肪酸(mmBCFA)がペルオキシソームでATPを消費して代謝される。この脂肪酸は、分枝鎖アミノ酸の異化反応で生じた前駆体を用いて脂肪酸合成酵素によって合成され、今回の結果からは、mmBCFAのβ酸化にはペルオキシソームタンパク質であるアシルCoAオキシダーゼ2(ACOX2)が介在することが示された。熱産生性の脂肪組織でのmmBCFAの生合成とβ酸化の両方に関係するタンパク質の発現は、低温曝露により共に上昇した。急性の熱産生刺激は、脂肪酸合成酵素のペルオキシソームへの移動を促進した。褐色脂肪組織特異的な脂肪酸合成酵素をノックアウトすると、低温耐性が低下した。脂肪組織特異的なACOX2をノックアウトしても低温耐性が損なわれ、また食餌誘発性の肥満とインスリン抵抗性が促進された。逆に脂肪組織でACOX2を過剰に発現させるとUCP1とは無関係に熱産生が亢進し、代謝の恒常性が改善した。ペルオキシソームに局在する温度センサー(Pexo-TEMPと呼ぶ)を用いたところ、ACOX2を介した脂肪酸のβ酸化によって褐色脂肪組織の細胞内温度が上昇することが判明した。これらの知見によって、mmBCFAの合成と異化サイクルを特徴とする脂肪組織での熱産生に、ペルオキシソームがこれまで知られていなかった役割を果たしていることが明らかになった。

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