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細胞生物学:エネルギー欠乏によって、密集した生きた上皮細胞が押し出しの対象として選択される
Nature 646, 8087 doi: 10.1038/s41586-025-09514-w
上皮細胞は集団として働いて防護壁を提供するが、細胞分裂と細胞死を経て迅速に代謝回転するので、分裂する細胞と死ぬ細胞の数がうまく合わないと、防護壁が消失したり腫瘍が生じたりする可能性がある。伸展活性化イオンチャネルPiezo1を介した機械力が、細胞分裂と細胞死の両過程を結び付けている。伸展は細胞分裂を促進し、密集は生きた細胞を押し出して、その後、それらを死に至らしめる。しかし、押し出される密集細胞が何によって選ばれるのかは不明だった。今回我々は、密集した細胞の中でエネルギーと膜電位が最も小さい細胞が押し出しの対象として選ばれることを示す。密集が引き金となって上皮のナトリウム(Na+)チャネル(ENaC)を通ってNa+が流入し、これにより細胞が脱分極する。十分なエネルギーを持つ細胞は再分極するが、ATPが不足している細胞は脱分極したままになり、続いてそれが引き金となって、電位依存性カリウム(K+)チャネルKv1.1とKv1.2、および塩素(Cl−)チャネルSWELL1を通って水が排出される。一過性の水の喪失は細胞の収縮を引き起こし、密集を増幅して、密集が誘発する生細胞の押し出しを活性化する。つまり、今回の知見は、ENaCは張力センサーとして働いて、エネルギーが最も少ない細胞を調べて押し出して死に至らしめ、これはおそらく、背景の上皮細胞中でPiezo1による偶発的な密集の促進を抑えていることを示唆している。我々は、密集を感知する機構がPiezo1の上流で働いていて、水の調節とイオンチャネルが上皮細胞の代謝回転の重要な調節因子であることを明らかにしている。

