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腫瘍生物学:小細胞肺がん発症のニューロン活動依存的機構

Nature 646, 8087 doi: 10.1038/s41586-025-09492-z

神経活動は、がん増殖の重要な調節因子として次第に認められつつある。脳内では、ニューロン活動はパラクリン機構やニューロンと神経膠腫(グリオーマ)間のシナプスを介して悪性細胞を電気化学的に神経回路に統合することにより、グリオーマの増殖にロバストに影響している。中枢神経系以外でも同様に、前立腺がん、頭頸部がん、乳がん、膵臓がん、消化器がんなどの腫瘍に対する末梢神経による神経支配が、がんの進行を調節している。しかし、肺内、あるいは脳転位後の増殖時に、神経系が小細胞肺がん(SCLC)の進行をどの程度調節しているのかはよく分かっていない。SCLCは致死性の高悪性度神経内分泌腫瘍であり、脳に対する強い転移傾向を示す。今回我々は、肺では迷走神経切断が原発性肺腫瘍の発生と進行を著しく阻害することを実証し、神経支配がSCLC増殖に重要な役割を担っていることを明らかにする。SCLC細胞は、脳でニューロン活動調節機構を用いて増殖と進行を促進する。グルタミン酸作動性とGABA作動性(γ-アミノ酪酸産生性)の皮質ニューロンの活動は、それぞれパラクリン型相互作用と、ニューロンとがんの間のシナプス相互作用を介して脳のSCLCの増殖を駆動する。SCLC細胞ではニューロンとSCLC間で真正のシナプスが形成され、ニューロン活動に応じて脱分極電流が生じ、結果としてカルシウムトランジェントが生み出される。このようなSCLC細胞膜の脱分極は、頭蓋内腫瘍の増殖を促進するのに十分である。まとめると、これらの知見はSCLC発症の指令にニューロン活動が重要な役割を担っていることを明らかにしている。

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