Article

神経回路:自律神経反射障害の基盤にあるニューロン構造

Nature 646, 8087 doi: 10.1038/s41586-025-09487-w

自律神経反射障害とは、脊髄損傷(SCI)後、感覚刺激に応答して起きる制御不能の高血圧発作を特徴とする、生命に関わる病態である。自律神経反射障害の基盤にある機構については断片的にしか明らかにされておらず、それがこの病態を管理する治療戦略の開発を妨げており、SCI患者は日々、心臓発作や脳卒中の危険にさらされている。今回我々は、SCI後に生じて自律神経反射障害の原因となるニューロン構造を明らかにした。我々はこれと並行して、脊髄の硬膜外電気刺激によって活性化するとSCI後の血圧を安全に調節できる、競合的かつ重複する別のニューロン構造を明らかした。これらの対立するニューロン構造が、ある単一のニューロン亜集団に収束しているという発見によって、機構に基づく介入法を設計する青写真が得られ、これによりSCIのマウス・ラット・ヒトで自律神経反射障害が逆転した。これらの結果は、SCI患者の自律神経反射障害を有効に治療するための硬膜外電気刺激の安全性と有効性を確立する極めて重要な装置の臨床試験に向けた道を開くものである。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度