アルツハイマー病:PICALMアルツハイマー病リスク対立遺伝子はミクログリア内の異常な脂肪滴の原因となる
Nature 646, 8087 doi: 10.1038/s41586-025-09486-x
遅発性アルツハイマー病(LOAD)のゲノム規模関連解析(GWAS)では、多くの遺伝的リスク座位が見つかっているが、その根底にある疾患機構についてはほとんど明らかにされていない。疾患原因バリアントとそれらのLOAD関連細胞表現型を決定することは、これまで困難であった。今回我々は、対立遺伝子特異的オープンクロマチンを示す機能的GWASリスクバリアントを特定する我々の手法を用いて、ヒト誘導多能性幹(iPS)細胞由来のニューロン、アストロサイト、ミクログリアにおける原因と推定されるLOADのリスクバリアントを体系的に特定し、LOADリスク対立遺伝子であるPICALMと、脂肪滴(LD)蓄積においてPICALMが持つミクログリア特異的な役割を関連付けた。対立遺伝子特異的なオープンクロマチンをマッピングすることで、26のLOADリスク座位に対する機能的リスクバリアントが明らかになり、そのほとんどはミクログリア特異的であった。ミクログリア特異的なPICALM座位では、LOADリスク対立遺伝子の一塩基多型rs10792832は、転写因子(PU.1)の結合とPICALMの発現を低下させ、アミロイドベータ(Aβ)とミエリンの残屑の取り込みを減弱させた。特に、PICALMリスク対立遺伝子を持つミクログリアでは、コレステロール合成経路とLD形成経路の転写が高まっていた。ミクログリアの遺伝的摂動と薬理学的摂動により、PICALM発現低下、LD蓄積およびファゴサイトーシス障害の間の因果関係がさらに確立された。我々の研究は、PICALM座位におけるミクログリアの、LDの有害な蓄積を介した選択的なLOAD脆弱性を明らかにしており、これによって臨床介入の開発に利用可能な神経生物学的基盤がもたらされる。

