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気候科学:中国南東部における4000年の安定性を破る現在の海水準上昇
Nature 646, 8086 doi: 10.1038/s41586-025-09600-z
全球平均海水準(GMSL)と地域的から局所的な成分(すなわち海水準収支)を含む海水準変動を駆動する物理的機構を定量化することは、確実な将来予測と有効な海岸管理に不可欠である。これまでの研究で、1950年代以降の中国の海水準収支を解明する試みが行われてきたが、これらの研究は短い時間スケールを捉えたもので、世界で最も人口密度が高く社会経済的に極めて重要な地域の1つである、中国南東部の現在の海水準上昇を十分に評価するのに必要な長期的な状況が欠けていた。今回我々は、1万1700年前から現在までのGMSLには、(1)退氷時の陸氷の融解が駆動した前期完新世の急速な上昇、(2)地域的な過程が海水準変動を支配していた、約4200年前から19世紀中頃までの4000年にわたる安定、(3)19世紀中頃からの加速的な上昇という、3つの明瞭な段階があったことを示す。我々の結果は、地質学的な海水準の代理指標と潮位計データの時空間的な階層モデル化により、不確かさを定量化して特定地域ごとの海水準収支を見積もることで得られたものである。1900年以降のGMSLの上昇速度(1.51 ± 0.16 mm year−1、1σ)が、少なくとも過去4000年のどの世紀のものも上回っている可能性は極めて高い(P ≥ 0.95)。さらに、今回の解析結果は、現在の都市部の急速な地盤沈下の少なくとも94%が人為起源の活動に帰属でき、局所的な地盤沈下の速度はGMSLの上昇を超えることが多いことを示している。こうした全球海水準上昇と急速な局所的地盤沈下の同時加速は、我々の完新世の地質学的記録ではこれまで観察されていなかった。

