医学研究:CRISPRで増強されたCAR T細胞免疫療法の体系的な発見
Nature 646, 8086 doi: 10.1038/s41586-025-09507-9
キメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法は、血液がんの治療に顕著な成功を示しているが、CAR T細胞の機能不全が治療失敗の広く見られる原因であり続けている。今回我々は、多数の臨床目的にわたってCAR T細胞を増強するためのCRISPRスクリーニングプラットフォームであるCELLFIEを提示する。ヒト初代CAR T細胞でゲノム規模スクリーニングを行い、その出力から、T細胞の生物学的性質の重要な特徴、例えば、増殖、標的細胞の認識、活性化、アポトーシスおよびフラトリサイド(fratricide)、疲弊などを測定した。スクリーニングヒットは、ヒト白血病の異種移植モデルにおいて新たなin vivo CROP-seq法を用いて優先順位付けされ、CAR T細胞の有効性を高めるいくつかの遺伝子ノックアウトが確立された。特に注目すべきは、RHOGノックアウトは単独でも、FASとのダブルノックアウトでも、CAR T細胞の強力かつ予想外の増強因子であると分かったことであり、これは複数のin vivoモデル、CAR設計および試料ドナー、そして患者由来細胞で検証された。我々は、CELLFIEプラットフォームの汎用性を実証するために、コンビナトリアルCRISPRスクリーニングを行って相乗効果のある遺伝子ペアを特定し、飽和塩基編集スクリーニングによってRHOGバリアントの特徴も明らかにした。まとめると我々は、広く用いられる基準において標準的なCAR T細胞よりも優れた性能を示す、CRISPRで増強されたCAR T細胞を発見し、検証して、生物学的な特徴付けを行い、これによって細胞ベース免疫療法を最適化するための基盤となる資源が確立された。

