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医学研究:がん悪液質でのヒト骨格筋の分子サブタイプ

Nature 646, 8086 doi: 10.1038/s41586-025-09502-0

がんに関連した筋肉の消耗は臨床転帰の不良に結び付くが、その原因となる生物学的機序はヒトではほとんど明らかになっていない。統合型非負値行列因子分解を使う教師なしクラスタリングによるRNAオーム(コーディングRNAおよびノンコーディングRNA)の不偏的解析は、特徴的な分子サブタイプを見つけ出す方法であり、今回我々は、これを大腸がん、もしくは膵臓がんの患者の筋肉に適用した。84人の患者から得た腹直筋の生検の特性を、ハイスループット次世代塩基配列既読によって調べた。クラスタリングのために厳密な品質指標を用いる統合型非負値行列因子分解によって、がん患者の筋肉に非常に明瞭な2つの分子サブタイプがあることが判明した。サブタイプ1を持つ患者は(サブタイプ2の患者と対比すると)悪液質の臨床症状、つまり高度の体重減少、筋肉量低下、タイプIIAおよびタイプIIX筋繊維の萎縮、生存率の低下が見られた。遺伝子発現のサブタイプ間でのこのような違いに基づいて、がんに関連した筋肉量と筋肉機能の喪失の要因となる可能性のある生物過程を突き止めた。その中には、転写後調節の変化と神経系の混乱、サイトカインストームと細胞性免疫応答、細胞外マトリックスに関連した経路、異物代謝、止血、シグナル伝達、胚性幹細胞や多能性幹細胞、アミノ酸代謝などの幅広い代謝異常などが含まれる。サブタイプ間に見られる差次的発現から、複雑に絡んだ多数の高次遺伝子調節ネットワークが関与していることが示され、(ハブとなる)長鎖ノンコーディングRNA、マイクロRNA、mRNAのネットワーク相互作用が今後の研究の標的になる可能性が考えられる。

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