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神経科学:Hex–GM2–MGL2を介したミクログリアとニューロンのクロストークは脳の恒常性維持に関わる

Nature 646, 8086 doi: 10.1038/s41586-025-09477-y

中枢神経系実質に存在する組織常在性マクロファージであるミクログリアは、組織の恒常性維持のみならず、障害時にも多様で不可欠な機能を担う細胞である。ミクログリアは主に、シナプス貪食、およびアポトーシス細胞や機能不全シナプスの迅速な除去を通じてニューロンと相互作用する。本研究で我々は、網羅的リピドミクス、高分解能空間脂質画像化、高深度の単一細胞トランスクリプトーム解析、さらに新規細胞種特異的遺伝子改変技術を統合することで、ミクログリアとニューロンの間に存在する全く新たな相互作用様式を見いだした。恒常性が維持されている間は、ミクログリアはリソソーム酵素β-ヘキソサミニダーゼをニューロンへ供給し、これが細胞膜の構造と機能維持に不可欠なガングリオシドGM2の分解を担っている。β-ヘキソサミニダーゼのβサブユニットをコードするHexb遺伝子の欠損は、マウスと神経変性疾患サンドホフ病患者のいずれにおいても、時空間的に特徴的な様式でGM2誘導体の異常蓄積を引き起こした。マウスモデルの解析により、ニューロン由来GM2ガングリオシドは、N-アセチルガラクトサミン残基を介してミクログリア上のMGL2(macrophage galactose-type lectin 2)受容体に結合し、これが致死的な神経変性を誘導することが示された。注目すべきことに、ミクログリアを、末梢由来のミクログリア様細胞に置換することで、この変性サイクルを断ち、中枢神経系の恒常性を完全に回復させることが可能であった。本研究の成果は、GM2ガングリオシド代謝回転を中心としたミクログリア–ニューロン間の双方向コミュニケーション様式を示すとともに、ミクログリオパチーを特定し、その疾患に対する新たな治療法の可能性を提唱するものである。

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