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神経科学:同種脳ミクログリア置換による治療的遺伝子修復
Nature 646, 8086 doi: 10.1038/s41586-025-09461-6
全身性の造血幹・前駆細胞移植(HCT)後の、移植した同種骨髄系細胞の脳への移動は、リソソーム蓄積症などの脳での遺伝子欠損を修正する治療法として非常に有望である。しかし、同種HCTには有害な骨髄破壊が必要で、重篤で生命を脅かしかねない副作用を引き起こす可能性があるため、その適用可能性は限られている。さらに、移植した同種骨髄系細胞は、脳のような免疫特権器官の中にあっても、拒絶に対して非常に脆弱である。今回我々は、骨髄を破壊する前処置が不要な、脳限定的で高効率のミクログリア置換法について報告する。これまでの想定に反して、脳環境の骨髄系区画の再増殖に造血幹細胞は必要ではなく、運命拘束されたSca1−前駆細胞は脳内注入後にミクログリアを非常に効率良く置換した。この知見により、脳限定的な前処理の開発が可能になって、末梢での長期的な生着が回避され、これによって、移植片対宿主病などの合併症を排除できた。この治療可能性を評価したところ、我々の同種ミクログリア置換法は、ヘキソサミニダーゼB欠損によるリソソーム蓄積症であるサンドホフ病のマウスモデルを救済することが見いだされた。この方法のトランスレーショナルな妥当性の裏付けとして、ヒト胚性幹細胞由来の骨髄系前駆細胞は、脳限定的な前処置後に同様の生着能力を示すことを発見した。我々の結果は、従来のHCTが持つ現在の限界を克服し、脳に対する同種異系ミクログリア細胞療法の開発に向けて道を開く可能性がある。

