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ナノ科学:閉じ込められた水の面内誘電率と面内伝導率
Nature 646, 8085 doi: 10.1038/s41586-025-09558-y
水は、地球上の生命のほぼ全ての側面に不可欠であり、当然ながら、その特性は非常に詳細に研究されてきた。しかし、界面水や強く閉じ込められた水の電気的特性については、不釣り合いなほど少ない知見しかなく、そうした水では、構造がバルク水から逸脱し、明確に層状になる。こうした構造変化は、水の伝導率や特に分極率に影響を及ぼすと予想され、そうした特性はひいては、多くの物理過程や化学過程において重要な役割を果たす分子間力を変化させる。今回我々は、最小1 nmだけ隔てられた原子レベルで平坦な面の間に閉じ込められた水の面内電気的特性を、走査型誘電率顕微鏡法(SDM)を用いて調べた。閉じ込めが数ナノメートルを超える場合、水はバルク水に近い面内誘電率を示し、プロトン伝導率は著しく増大していて、水の厚さが薄くなると徐々に増加した。この傾向は、閉じ込め水が分子わずか数個分の厚さになると突然変化し、面内誘電率は、約1000という強誘電体のような大きな値に達する一方、伝導率は数S m−1でピークになり、超イオン液体に特徴的な値に近くなった。この増大は、数層の閉じ込めに誘起される強く乱れた水素結合によるものと考えられ、これによって、より容易な分子双極子の面内分極とより速いプロトン交換が促される。ナノ閉じ込め水の電気的特性に関するこの知見は、水溶液界面やナノスケール細孔で起こる多くの現象を理解するのに重要である。

