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神経科学:ショウジョウバエのネットワーク間の同期が鎮静状態を促す神経フィルターを作り出す
Nature 646, 8085 doi: 10.1038/s41586-025-09376-2
動物には妨害されない休息時間が必要であり、その際に回復過程が起こる。しかし、動物自身を外界から分離して鎮静行動を可能にする一方で、顕著な感覚合図への警戒を維持するという脳の状態が生じる仕組みは分かっていない。本論文で我々は、ショウジョウバエ(Drosophila)において、睡眠要求(R5)神経ネットワークとロコモーション促進神経ネットワークの間にコヒーレントな徐波活動(SWA)を発生させることで、鎮静行動を可能にする脳状態を生み出す神経フィルターを作るという神経機構について記述する。SWAのコヒーレンスは、概日リズムと恒常性制御の支配下にあり、感覚経験によって調節できる。コヒーレントなSWAを疑似的に作ったところ、R5振動は、ロコモーション促進細胞の神経活動を周期的に関連付けることで視覚刺激への反応性を低減し、それによって出力を効果的に打ち消していることが分かった。これらのネットワークは、拮抗的な入力を下流の頭方位細胞に送ることで、行動の反応性を調節し得る。従って、コヒーレントな振動は、対立する信号を時間的に関連付けることで神経フィルターの機構的基盤をもたらしており、その結果、ロコモーション制御とナビゲーションネットワーク間の機能的結合が低減する。我々は、SWAの時間的パターンは「遮断可能な」フィルターを作り出す構造を提供して、動物が鎮静状態に入ることを許容する一方、強い刺激や顕著な刺激が入れば神経相互作用を「遮断」して、その結果、動物が反応できるようになるという構造を提案する。

